「最近、肩が上がらない」
「指の関節が痛い、こわばる」
「年齢のせいかな…でも、急に増えた気がする」
40代後半〜50代になって、こんな関節の不調を感じていませんか?
こんにちは。調剤薬局で働く薬剤師のまいです。50代、更年期まっただ中。整形外科の門前薬局で、日々たくさんの関節痛のご相談を受けています。
実は——更年期の関節痛には、女性ホルモン「エストロゲン」が深く関わっていることが、近年わかってきました。そして、その対策として、整形外科でエクオールというサプリが勧められるケースが増えています。
この記事では、薬剤師の視点から——
- なぜ更年期に関節が痛くなるのか
- 五十肩・ヘバーデン結節とエストロゲンの関係
- エクオールが関節痛に勧められる理由
- 薬に頼りすぎない、関節痛とのつき合い方
を、わかりやすく解説します。
なぜ更年期に関節が痛くなるのか
結論から言うと——女性ホルモン「エストロゲン」の減少が、大きな原因です。
エストロゲンには、実は関節を守る働きがありました。
- 軟骨を保護する
- 滑膜(関節を包む膜)の炎症を抑える
- 腱・靭帯の柔軟性を保つ
更年期に入ってエストロゲンが急減すると、これらの守りが弱くなり——軟骨が摩耗しやすく、関節が炎症を起こしやすくなります。
「歳のせい」と思っていた関節の不調が、実はホルモンの変化だった、というケースは本当に多いのです。
関節によって、エストロゲンとの関わりは違う
実は、エストロゲンとの関連の強さは、関節の場所によって異なります。
肩(五十肩・四十肩)
意外に思われるかもしれませんが、五十肩は、更年期との関連が非常に強い関節です。
- 患者さんの約4分の3が女性
- 海外では「閉経の肩(Menopausal shoulder)」と呼ばれるほど
- エストロゲン低下によるコラーゲン減少+関節包の炎症が背景
「急に肩が上がらなくなった」——その裏に、ホルモンの変化が隠れていることがあります。
指(ヘバーデン結節・ブシャール結節)
指の関節が腫れて変形するヘバーデン結節(第一関節)・ブシャール結節(第二関節)も、強くエストロゲンと関連します。
長く「原因不明」とされてきましたが、近年、エストロゲン低下が深く関わることがわかってきました。
膝・腰
- 膝:体重を支えるため、エストロゲン低下で軟骨が摩耗しやすい
- 腰:直接の関連は弱めだが、全身の炎症を介して影響することも
エクオールが、関節痛に勧められる理由
ここで登場するのが、エクオールです。
エクオールとは
エクオールは、大豆イソフラボンが、腸内細菌によって変換されてできる成分。エストロゲンに似た働きをするため、減ってしまったエストロゲンを補う役割が期待されています。
ただし——エクオールを作れる腸内細菌を持っているのは、日本人の約半分。残りの半分の人は、大豆を食べてもエクオールを作れないため、サプリで直接補う選択肢があります。
臨床研究:1日10mgで関節痛が改善
エクオールの関節への効果を調べた研究では——
1日10mgのエクオールを3ヶ月続けたところ、軽度〜中等度のヘバーデン結節の痛みが軽減し、手の機能評価も改善したと報告されています。
整形外科で「エクオールを試してみては」と勧められるのは、こうした研究が背景にあります。サプリが、医師から提案される時代になってきているのです。
実際、薬局でも「整形外科の先生に勧められて」とエクオールを買いに来られる、40代・50代の女性が増えています。
薬剤師として伝えたい「関節痛とのつき合い方」
整形外科の門前で、関節痛のお薬を毎日扱う立場から、選択肢を整理します。
痛み止め(NSAIDs)
ロキソニン、ボルタレンなどは、関節の痛みに有効です。ただし長期の連用は胃腸への負担の副作用も。
湿布薬
手軽ですが、何ヶ月も貼り続けている方も少なくありません。肌トラブルもあるので、「効いている実感がなければ見直す」ことも大切です。
エクオール
前述の通り、ヘバーデン結節への臨床エビデンスが広がっています。
ホルモン補充療法(HRT)
「閉経の肩」や膝の痛みにも、エストロゲンを補うことで改善が期待できます。婦人科で相談を。
食事・運動・メンテナンス
大豆製品を意識して摂る、無理のない範囲で体を動かす——こうした日々の習慣も、関節を守る土台になります。「痛くなってから」ではなく「痛くなる前に整える」という意識が、長くつき合うコツです。
まとめ:その関節痛、「年齢」だけのせいではないかも
最後に、ポイントを整理します。
- ✅ 更年期の関節痛は、エストロゲンの低下が大きな原因
- ✅ 五十肩は「閉経の肩」と呼ばれるほど、更年期と関連が強い
- ✅ ヘバーデン結節にも、エストロゲンが関わる
- ✅ エクオールは、関節痛対策として整形外科でも勧められている
- ✅ 痛み止めだけに頼らず、ホルモン・食事・運動にも目を向けて
「年齢のせい」と諦めていた関節の痛み。その背景にホルモンの変化があると分かれば、できることが見えてきます。
気になる関節の痛みが続く場合は、まず整形外科や婦人科で相談してみてください。そして、エクオールなどの選択肢について、薬剤師にも気軽に聞いていただけたらと思います。
💊 ご注意:本記事は一般的な情報提供です。関節の痛みや変形が気になる場合は、必ず整形外科などの専門医にご相談ください。エクオールやサプリの使用、お薬については、薬剤師にご相談ください。
この記事を書いた人:調剤薬局勤務の薬剤師「まい」。整形外科の門前薬局で、関節痛のご相談を日々受けています。50代・更年期。薬剤師の知識と自身の体験を交えて、腸活・更年期・健康について発信しています。


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